寮生活とホームシック
**8月23日9時半までにこの記事をお読みになったかたへ:堀さんとニイルの文中で一カ所ずつタイプミスしていました。訂正しましたので(下線ひいてあります)、恐れ入りますが、正しいほうを、もう一度お読みください。**
ブログを書いているおかげで、たくさんのかたからメールをいただきます。
一番多いのは、きのくに、かつやま、南アルプス、北九州への入学を検討しているかたで、「でも、子どもに小さいうちから寮生活をさせるのが心配」というかたからのご相談メールです。
人それぞれ、状況は違いますが、私がまずお伝えすることは、
堀さんの『自由学校の設計』の43ページ、「寮生活とホームシック」のところをお読みください
ということです。
【寮にかんしては、見学の人や講演を聞いてくれた人からしょっちゅうだされる疑問がある。
「小学校の子でも寮生活は大丈夫でしょうか。親元から離れて暮らしていても問題ないでしょうか。」
大丈夫である。ほとんど問題はない。ただし「親のほうに問題がなければ」という前提が必要だ。
子どもを離すことへの不安にとらわれていたり、子どもへの支配欲が強かったりすると、子どものほうが寮生活への適応に時間がかかることが多いからだ。いつも親から心理的に囲い込まれているので、その囲いがはずれると、かえって不安定になるのである。
こういう子は、ホームシックが長く続くし、いつまでも寮母にすがることになりかねない。】
以下は、本でお読みくださいね。
それにしても、「寮生活」と言ったって、毎週末に帰宅する児童が一番多いわけですが、ざっと日数を数えてみましたけど、一年の半分は家で過ごせるわけなんですよ。ちょうどいいバランスじゃあないですかねえ。
我が家は毎週帰るわけにはいかない距離でしたから、家庭で過ごす時間はもうちょっと少なかったですが、それでも、春、夏、秋、冬と、たっぷり休みがありますし、ちゃんといい子に育ってますから、心配ないで〜す!
9月からの転入を控えているかたもおられると思いますが、子どもさんのことは安心してお任せして、親は、その分浮いた時間を、自分磨きに使えば、きっと、ますます楽しくなると思います。
さて、ニイルは、寮生活のこと、こんなふうに言っています。
『ニイル選集③ 恐るべき学校』の第13章『質問に答える』の中で、「家庭にいて学校へ通学するのと、寄宿学校に入るのとでは、どちらが子どもにとってよいでしょうか」という質問に答えての文章です。
【私は寄宿学校を経営して生計を立てている。だから私の答えはかたよっている。しかし、どちらがよいかは、どんな学校や家庭であるかによって違う。
私の見るところでは、よい家庭の子どもは喜んで家庭へ帰り、また喜んで学校にもどってくる。
しかし、どちらかといえば、よい寄宿学校に入るほうがよいだろう。どんなよい家庭であっても、たいていは互いに神経にさわることが起きるものだ。
それにもう一つ大切な要素を考えねばならない。
つまり、通学の子どもは、十分にほかの子どもと交わることができない。子どもにとっては、きょうだいの間のような情緒的に深く結びつきすぎていない子どもと遊ぶのがいちばんよい。
さらに寄宿学校は、子どものためにつくられたものである。家庭は、そもそも大人にふさわしいようにできている。
私は、子どもたちのやかましい物音の真っただ中で暮らしていける。それが私の仕事だから。
しかし会社からもどった父親はそうはいかない。父親のほどんどは、うるさい子どもには我慢がならない。
結局こういうことだ。
家庭がよくても、学校が悪いと害が大きい。逆もまた真である。】
ニイルの本、どれもおもしろいですが、この「質問に答える」の章、特に好きです。
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