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2010年12月 1日 (水)

大地保育環境論

息子たちが保育園児だった頃のこと。


園庭を通って、お迎えに行ったら、3歳くらいの園児に向かって、若い女性の保育士さんがお花を持って、ちょっときつい調子で何か言っていました。近づくと、こんなふうに言っているのが聞こえてきました。


保育士:「ねえ、お花さんが“痛い”って言ってるよ!聞こえるでしょ!」

子ども:「・・・」

保育士:(手に持ったお花を、その子の耳に近づけて) 「ほら、ちゃんと聞いてごらん。お花さん、泣いてるから。だから、もう、お花とっちゃダメなの!」

子ども:(涙目で) 「・・・」


その様子を見て、私、なんだかとてもいや〜な気持ちになりました。そんなこと言われたって、「痛い」なんて、聞こえないよ、って思って。

今でも覚えているくらいですから、とても強い印象が残っているのです。


先日の、東京での教育講座のときに買ってきた、塩川寿平さんの著書、『大地保育環境論』という本に、こんな文章が載っていました。


【どうか、机の中をひっかきまわしても、すぐに鍵などかけないでほしいものです。

花を1本や2本摘んだからといって、しからないでほしいのです。

その花が欲しかったのです。その花に感動したのです。その花を刻んでままごとのごはんに振りかけたかったのです。


花とその子の濃密な関係が結ばれようとしているときなのです。

花を摘まない子は、花を振り向きもしない子どもなのです。こういう子は、花を愛する人には育ちません。花を愛する人は、やはり花を摘むものです。


そうだとすると、保育者は考えを変えなければなりません。園庭のすみのあちこちに、許されるかぎり摘んでもよい花を植えることです。春には、レンゲやクローバーがよいでしょう。夏には、オシロイバナ。秋は、もちろんコスモスです。


これなら、多少子どもたちが遊びに使ったとて、保育者はニコニコと見守ることができるでしょう。約束さえしておけば、子どもたちはちゃんと心得ていて、ほかの花をむやみに摘んだりすることはしません。

保育環境とは、こうした立場から再考されなければならないのです。】 p.21


なんだか、すとんと、腑に落ちた、という感じです。

こういう考えを、一度でも聞いたことがあるかないかで、だいぶ違うだろうなあ。


わが子の乳幼児期の子育て、何も知らず、あっという間に過ぎてしまいましたが、塩川さんのあたたかい保育論は、確かに、私の肥やしになりました。

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コメント

これを読んで思い出しました。
うちの子は園児の時、毎日お花を摘んで「おみやげっ!」ってもって帰ってくれてました。
一生分の花束をあの時受け取っていたんだなぁ〜。
この先なんにもしてくれなくてもいいやって思いました!
mamiさん、うっかり忘れていた大切なことを思い出させてくれてありがとうございます。

*息子さんの園の先生はヒドイです・・。

投稿: 後藤サリ | 2010年12月 5日 (日) 11時18分

うわあ、息子さん、すてきですね〜。それを、ちゃんと心に留めておかれたサリさんもすてき!
ほんとに、私たち親って、子どもからいっぱいいっぱい、贈り物もらってきましたね。

投稿: mami | 2010年12月 5日 (日) 20時45分

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