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2010年3月10日 (水)

学力&進路

堀さんによると、きのくに子どもの村学園への見学者からの質問で、もっとも多いのは、学力と進路の問題についてだそうです。


北九州子どもの村小学校で、堀さんの講演会と懇親会が行われたときも、北九州の保護者さんが、「“いい学校だと思うけど、勉強のほうは大丈夫なの?”とよく聞かれます。大丈夫だよって、話しをするけど、結局は、子どもたちの成長を見てもらうしかないのかな、と思います」とおっしゃっていました。


そうなんですよね。その気持ち、よくわかります。


私も以前、そのような質問を受けたことがあって、一生懸命話しました。

ちょうどうちの場合、息子二人がそれぞれの道を歩んでいますし、タイプも違うので、わかりやすいかな、と思って。


長男のFは、きのくにの中学校を卒業後はクラシックギターの修行をしながら通信制高校を卒業。現在高校卒後二年目で、来年の留学に向けてギターと語学の準備中です。


次男のNは、きのくに国際高等専修学校の二年生。冬休み中に、行きたい学科のある大学を見つけたので、学校生活を楽しみながら、受験の準備も始めた模様。

(注1:正確には、その学科のことは、父親が以前から知っていました。その学科の話しを聞いた私が、もしかして、そこって、Nにぴったり?と思って、学校案内を取り寄せ、帰宅したNに見せたら、「ここに行きたい」と、ドンピシャはまった、という経緯です。)

(注2:センター試験を受けなければならないので、その問題集などを買ったところまでは見ましたが、その後、寮に戻ったので、取り組んでいるところは見ていません。堀さんの話しによると、“猛勉強”しているそうな・・・。)


その学科に出会うまでは、「高校卒業したら、しばらくバイトでもして、ぶらぶらしながら先のこと考えようと思ってた」と言うN。それが、ピンとくる出会いがあって、早速必要なことを調べて、準備に取りかかりました。

その大学の偏差値とか、おかまいなし。とにかく、「ここで学びたい」という気持ちが最初にあるので、とても楽しげで、生き生きしています。「浪人覚悟」だそうで、「滑り止め」という発想もない。


センター試験の過去問を見たところ、「英語はけっこういけるかも」という感じだったそうですが、古文や漢文は難しかったそうで、あと、現代国語も、ああいう問題形式に慣れていないので、かなり手強かったみたい。

でも、全然めげないんですよ。

「○○さん(きの高の教員)に相談してみよう」って。もちろん、きのくにのスタッフは、生徒からの働きかけがあれば、できるだけ力になってくれます。生徒が頼みもしないのに、全員参加の補習なんてものはありませんが。


FもNも、「これだ!」と思い定めたときからの「力」がすごいと思うんです。そして、伸びしろが大きい。


親の目から見れば、勉強はあまり得意でなかったF。きのくにに出会う前の地元の小学校にいたときは、本読みがあまりにもたどたどしいので、私が鬼の特訓をしたものです。それですっかり、本を読むのが嫌いになったとか。(苦笑)

そのFが、いまは新聞じっくり読んでるし、小説や音楽の専門書も読みこなします。英語も苦手意識があったようで、英検もきのくにの中学時代に4級を取って以来、受験もせず。それが留学すると決めてから、楽しくレッスンに行き、単語帳までつくってます。


(ここで話しが終わると、きのくにの英語の授業がダメだと思われるといけないので、必ずNの話しも付け加えます。中学のときに、英検準二級、きの高二年で二級取得。塾も家庭教師も一度も受けたことがないので、きのくにの授業だけです。要するに、本人次第、興味があるかないか、ってことかな。)


とかなんとか、一生懸命しゃべりながら、虚しくなるときがあります。


もしかして、質問してくる人は、そういう、私が言うところの「力」には関心がなく、「偏差値の高い高校や大学に行けるのか」ということを聞きたいのかな、と思って。


私は、「きのくにで育ったら、学力はどうなのか?」ということに、ほとんど関心がないのです。


それどころか、息子たちがきのくにに転入するにあたって、「これで、学力とか偏差値、という世界と離れられる!」ってうれしかったくらいなのです。


「学力や進路は大丈夫か」と質問されるかたにとって、「学力」って、なんのことなのでしょう。

「読み書き計算は身につくのか」ということなら、まあ、それは大丈夫でしょう。

そういうことでなくて、

「自由学校でのびのび過ごして、情緒豊かに成長するのはいいけど、やっぱり、ある程度偏差値が高くて(親の体裁を満足させてくれる)高校や大学に行ってほしい」と、そんなふうに思っているのなら、自由学校に子どもを行かせるのは、考え直したほうがいいんじゃないかなあ、と思うことがあります。


でも、私たち、自由教育の良さ、頭でわかってても、偏差値教育がしみついてて、それをすっかり脱ぎ捨てることが難しいのも事実です。


「自由学校で学力、受験は大丈夫か」と質問したくなる人は、自分の価値観を問い直す、絶好のチャンスかもしれません。


もう、「一生懸命」説明するのはやめようと思います。そこにいる子どもたちを見てもらうしかない。
「その子に必要な学力」は、その子が必要と感じた時に身につく、と言うしかない。


私はきのくにに出会って、ほんとうに、心が軽くなりました。そして、一緒にいる時間は短くなったのに、親子で大笑いすることは多くなったように思います。smile


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コメント

コメントのお返事ありがとうございます!
R君ママもありがとうございます!
偏差値って、私だいっきらいな言葉です(笑)
私は残念ながら、高校中退。でも中学2年までは、144人中17位というそこそこできてたと思います。
が、残念ながら、それが役にはたってない。それどころか、もうすっかり忘れてる。因数分解なんてもうできない^_^;
徹夜で頑張ったのになぁ・・・
社会に出た時、高卒がないことで結構困るんですが、実際高卒でも、中卒でも、知識より知恵がないとだめなような気がします。
今の学校の勉強は、知識を詰め込む。
足し算引き算の初歩的なものにしても、知識のままなら、その後応用する事ができないです。
私の娘がそうです。
1,000g→1kgはわかっても、じゃあ10kgは?ときくと全くわかってません。
ただ覚えなきゃならんから詰め込む。ただそれだけ。生きていく知恵にはなってないなぁ。
これで、通知表はよくできました・・・だもん。先生、うちの子ついてけてないですよ。と言いたいくらい。
夏休みの宿題も、休みなら休ませてって思うし。
きのくにや、北九州子どもの村みたいな学校が増えると、もっとたくさんの子ども達が生き生き、にこにこ、のびのびできる世の中になるはず。。。
長くなりましたが、私も同意見です。と言いたかった(笑)文章力なくて、すみません^_^;

投稿: ゆりえれん | 2010年3月10日 (水) 17時13分

はじめまして。ブログ読ませていただいてます。

現在東京在住ですが、山梨県に引っ越す可能性があり、そんな折に南アルプス子どもの村小学校の事をつい最近知り、大変興味を持ちました。いろいろ検索していて、やっとブログにたどりつけました。

新年長になる息子がいます。幼稚園を子どもの村小学校の考え方と似た、少人数で子供の自主性を大変重んじ、責任も役割も幼い子供にもしっかり持たせる、という方針の園に入れています。あえて親があれこれ教え込まなくても、勝手に文字や数を知り、様々な事が出来るようになり(お料理に目覚めたみたいで)・・・と、子供が日々成長してゆく様を見ていて(親が必死になる事の無意味さはよく分かっています)、この続きが小学校でも出来ればなぁ、と思っていました。

それだけではなく、何事も競争し、勝つ事だけが全てであるというような現代の子ども事情を目の当たりにして(東京に住んでいて、あまりに小学校受験が過熱していまして・・・。親の話が目下中学受験の話題だったりするので)少々発達の遅れのある息子が、果たして自分に自信を持って小学校に通えるのか・・・ずっと悩んでいました。

小学校位、子供らしくのびのびと遊んで学んで・・・。しかも楽しいと思って毎日通えたなら、どんなに幸せなんでしょう。私自身、イジメと体の不調で小・中学校とも半分は不登校を経験してきたので、楽しかった思い出なんてありません。弱いものはまける、それを叩き込まれただけだった気がします。だから、私が通いたかった学校、という基準でこどもの村小学校のHPを見ています(笑)

情報が得られるのは保護者の方のブログだけなので、ちょくちょく質問させてもらうかもしれません。今後とも、よろしくお願いいたします。

投稿: kewpie | 2010年3月11日 (木) 22時49分

こんにちは!

「これだ!」と思い定めたときからの「力」がすごくて、伸びしろが大きいなんて、とっても素敵だな、と思います。

そんな力をつけてくれる学校に行かせたい!とますます惚れてしまいました。

投稿: ヒカル母 | 2010年3月12日 (金) 00時18分

○ゆりえれんさん、力強く「私も同意見です」とおっしゃってくださり、ありがとうございます!私も、山ほど覚えたのに、今、全然使ってませ〜ん。もう忘れました〜。受験勉強にかけたあの時間、もったいなかったな〜、と思いますね。

あ、そういえば、これ、すでに書いたかもしれないけど、28日のおもちゃづくり、私は行けないのですけれど、次男のNがお手伝いとして参加します。よろしく〜!

○kewpieさん、初めまして。コメントありがとうございます。山梨に引っ越されるなんて、なんてすばらしいタイミング!きっと、南アルプス子どもの村が呼んでいるんですわ!sun
2月22日の記事にも書きましたが、南アルプスのHPの「最近の様子」ぜひぜひこまめにチェックなさってくださいね。子どもたちへの深い配慮が感じられることと思います。

子どもの村は、子どもたちが自分自身でいられる場所なんです。
小学三年生まで地元小学校で過ごし、四年生からきのくにに転入した長男は、「こんな楽しい学校があるのか!」と思ったそうです。happy01

○ヒカル母さん、こんにちは!
子どもの村、ほんとうにいい学校なんです。そして、大きなおまけは、私も一緒に学べて、楽しませてもらってるってことで〜す。

投稿: mami | 2010年3月12日 (金) 15時17分

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