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2009年12月14日 (月)

知識よりも感情

このブログの検索キーワードを見てみると、「きのくに卒業生」とか「きのくに 進路」などどいう言葉がよく見られます。(一番多いのは、「きのくに 授業料」ですが・・・)


みなさん、「きのくにって良さそうだけど、卒業生は何してるのかしら」って、気になるんですね。

人それぞれで、進路もほんとうに多岐に渡っているようです。

参考までに、我が家の場合を・・・とも思うのですが、その渦中にある場合は、いろいろと書きにくいこともあるので、しばらくたって、プライバシー等の問題がなくなったとき、追々書いていきますので、お待ちくださいね。


さて、最近また、『ニイル選集』を読み返したりしているのですが、本文の内容もさることながら、最後に載っている、霜田静志氏やジョン・エッケンヘッド氏、訳者の堀真一郎氏の文章もとてもすばらしく、まだお読みでないかたに、ぜひぜひ紹介したく、一部転載することにしました。


*A.S.ニイル・・・サマーヒルスクール(スコットランド)の創設者。1973年に死去した際、ロンドン・タイムスは
「もし、わが国の子どもたちが、学校において以前よりもいくらかなりと幸福であるとすれば、それは、この変わったスコットランド人教育家によるところが多い。」
と記した。


*霜田静志・・・初めてニイルの著書を翻訳し、日本に紹介した。


新版『ニイル選集1 問題の子ども』 の中の『ニイルを語る1ー霜田静志』より。


【○知識よりも感情
ニイルの教育の特色のもう一つは、知識よりも感情を重視する点である。彼は特にこの題名の本を一冊書いて、これを徹底的に論じているほどであるが、他のところでも、しばしばこれを論じている。

ではなぜこれを重視しなければならぬか。

昔から今日に至るまで、教育はどこの国でももっぱら知識を高めることにつとめて来た。そして知識の進歩は人類文化の高度の発達をもたらし、今日の科学時代を現出した。

これによって産業の近代化は徹底的に行われ、家庭は電化されて、生活は快適なものとなり、便利なものとなった。ー略ー


しかしこれによって人類ははたして幸福になり得たであろうか。いかにも今日の科学および科学技術の進歩は、われわれの生活を豊かにし、これを向上させた。

しかしその一方核兵器の研究開発によって、戦争の脅威はいよいよ増大し、恐るべきものとなった。

ひとたび核兵器による戦争がおこったなら、もうこの戦争には勝ち負けはない。地球の大半は破壊しつくされ、敵味方とも、共だおれになるよりほかはない。 ー略ー


そこで今日の教育としては、科学知識の向上ということもさることながら、このような科学知識を人類の平和と幸福に役立てようとする熱意のある人物の育成こそだいじである。


これは決して知識の問題ではない。感情の問題である。


かつては、人間の知識が進めばおろかな戦争なぞしなくなる、と考えられていた。

第一次世界大戦は「戦争を終わらせるための戦争」といわれた。そしてもうこれで戦争はおしまいだと一般に信ぜられていた。

しかも二十年後には、それよりももっと大きい第二次世界大戦をひきおこした。そしてそれからさらに二十余年を経た今日、第三次大戦などおこらぬという証拠はどこにも見られない。 ー略ー


このような時代に、今まで通り知育万能の教育をつづけていてよいであろうか。

ここに当然、教育の根本的革新が必要になってくる。科学に対する高度の研究は一部の専門家に任せておいてよい。

一般の人々のためには、人間性を尊重し、これを善導する感情の教育こそ必要である。


今までの教育においては、感情は抑えられ、もっぱら理性的であるように教育されてきた。

その結果はどのようなことになったか。

抑えられた感情ははけ口を求める。その結果は愛であり寛容であるべき感情は、憎悪となり支配欲となる。

あらゆる人と人との争い、社会悪、戦争などは、ここに誘発されることになる。

ある人は、それだから道徳教育・宗教教育が必要であるというかもしれない。

しかし今日の道徳教育・宗教教育は、人間本来の人間性を抑圧し、そのよさを育てることに役立たない。目的と反対の結果を生み出しているのである。


そこでこのような抑圧を去っての感情の解放こそ必要である。】


全国学力テストをどうするとか、学力向上のために放課後まで学校で塾講師が授業するだとか、そういうニュースを見るにつけ、「そんなことをしている場合じゃないでしょ!」と叫びたくなります。


ニイルがしてきた教育、霜田氏のことば、多くの人に届けたいです。


続きはまた次回・・・。

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