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2009年9月28日 (月)

根っこを育てる教育

9月23日は、北九州子どもの村小学校で、学園長の堀真一郎さんの講演会があったので、行ってきました。

お話は、A.S. ニイルがどんな人であったのか、どんな教育をしたのかについてでした。その中では、私が、何度でも聞きたいと思っていた、「意識と無意識」についての話しもしてくださいました。


いけないことをした子どもに、こんこんとお説教する =意識に働きかける= のは、あまり意味がないという話し。

大切なのは、無意識に働きかけることなのです。


いろんな要因で、どうしても、「ダメ」と言われることをやってしまう子。その子自身も、それがよくないこととわかって、それでもどうしてもやってしまう。それは、罰を与えたり、説教したからと言って、すぐに治るものではないのですね。


そこから、ニイルが、しょっちゅう盗みをする子どもをさそって、隣の家の鶏を盗みに行く、というエピソードが語られます。この行動にも、深い意味があるのです。


【困った子というのは、実は不幸な子である。彼は内心で自分自身とたたかっている。その結果として外界とたたかう。】 A.S.ニイル


ニイルの教育について、詳しくお知りになりたいかたは、『ニイルと自由な子どもたちーサマーヒルの理論と実践』と、現在新版刊行中の、ニイル選集(全5巻)をお読みください。いずれも黎明書房から、訳は掘さんです。


講演会後は、堀さん、北九州子どもの村のスタッフ、保護者さんと、他の一般参加者との懇談会がありました。

楽しかった〜。

わざわざ大阪からいらした学生さんもいらっしゃいました。6月のときにもいらしていて、きのくにの教育に、すっかり魅せられてしまったそうです。


他には、なんと、大分からの参加者もいて、しかも二家族も! 不思議と、関心持ってるかたには、情報が伝わるようになってるんですね〜。


北九州の保護者さんは、いつもながら、とても雰囲気がよくて、快活、楽しい!


「子どもの村はお金がかかるとか、高校、大学のためにお金を残しておきたい、って言う人がいるんだけど、私は、今、小学生のうちに根っこをしっかり育てる教育をしたい。そこがしっかりしていたら、高校とか大学とか、どうにでもなると思うんですよね。」

そんな話しをしてくれたかたがいらして、うんうん、と、心から共感してしまいました。こういう話しで盛り上がれるって、とっても楽しい!


「自分自身の魂の船長となって」、自分自身の生き方ができる自由な人間に育ったら、ほんとうにやりたいことを見つけていくだろうし、もしそのために、大学での学問が必要ならそれを選ぶだろし、お金がなければ一年でも二年でも、自分で働いて準備するだろうし。


今年の春祭りのとき、きのくにOBの保護者さん数人と話しをしたのですが、彼らの娘さん、息子さん、それぞれ独自の道を歩んでいて、感心しました。


高校卒業後、1〜2年外国でボランティア活動して、帰国してから大学に進学し、やりたい学問を探究している人。

きのくに時代から動物が好きで、どうしても獣医になりたいということで、浪人して受験に備えている人。

家業を手伝いながら自分の道を模索している人。

そして、うちの息子(Fのほう)は、今年三月に通信制高校を卒業し、今はギターの練習に励んでいます。ときどきは、人前で演奏する機会もあり、来年はどのように羽ばたくのか、こちらも楽しみです。


とにかく、ストレートに中学→高校→就職 or 大学 という決まったルート以外、というのも、ちょっとドキドキしますが、ワクワク度も大きいんです。happy01

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2009年9月24日 (木)

きのくにー行き帰り

先日、ブログを見てくださってるかたにメールをいただき、質問を受けました。

「大分からきのくに、飛行機を使っておられるようですが、送り迎えとか、どこまで、どのようにしていたのですか?」


この質問、以前も、別の方から、個人メールでいただいたことがあるので、今回、記事としてアップすることにしました。


まず、ルートとしては、
家から大分空港・・・車
大分空港から伊丹空港・・・飛行機
伊丹空港から難波駅・・・バス
難波駅から橋本駅・・・電車
橋本駅からきのくに・・・学校のバスもしくはタクシー

と、こんなふうです。


で、四年生の4月から、きのくにに転入となったFは、大分空港から一人できのくにに行きました。

それまでに、3回、親と一緒にきのくにに行っていましたから、もう大丈夫だろうと思ったのです。


1回目は見学のとき。

でも、このときは、行きは関西空港から行ってしまったので、参考になりませんでした。人に聞いて、伊丹から難波のルートのほうが行きやすいことがわかって、この日の帰りから、そのルートをとることにしました。


2回目は、体験入学のとき。

このときは、転入できるかもしれない、という予感があったので、Fにも「ここで切符買って、ここで乗って、降りたらこっちで・・・」と、説明しながら、道中を共にしました。


3回目は、待ちに待った、入学の日。

入学を祝う会は日曜日なので、家族で行きました。そのときは、Fを先に歩かせたりして、次回から一人で行き来することを、親も本人も、かなり意識していました。


一週間後の、最初の帰宅日。このときまで、私が橋本駅まで迎えに行きました。(最初の1ヶ月は寮の都合で、長期滞在ができず、毎週行き来していたのです!)


そして、週末休み明けの月曜日、朝早く、大分空港まで送り、そこからバイバイです。初めて一人で行きました。

その日は、そりゃあ心配しましたよ。

それに、学園のバスには間に合わないので、タクシーに乗らないといけなかったものですから。


12時頃学園に電話して、「Fが着いてるかどうかだけ、教えてください」と聞いてしまいました。もちろん、無事に着いていましたが。


仕事しているので、毎週学園までの送り迎えは無理ですし、そんなことしてたら経済的に破綻してしまうので、早々にFを一人で行かせてしまいましたが、彼も、あまり不安がることなく、そんなものだと思っているかのように、淡々と行き来していましたね。


その次からの、Fのひとり帰宅も、ほんとにドキドキしました。飛行機を降りてでてくるまで、「ほんとにこの飛行機の乗ってるかしら」と思って・・・.


で、ずっと順調に行ってたのに、次の年の1月からNも転入できて、一緒に行くようになって初めて、大変なトラブルが起こりました。このことは、2006月8月25日の『電車をまちがえて』をご覧ください。こちらのページ↓を少し下へスクロールしていただくと、でてきます。

http://kinokuni-daisuki.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/index.html


このときは、Nのほうが、早々に、なにかおかしいと気がついて、「兄ちゃん、この電車、違うんじゃない?」と言ったのに、のんびりどっしりのFが、「まあ、大丈夫やろ」とかなんとか言って、一時間も違う方向の電車に乗っていたという、大物ぶり?


でも、ほんとに、この、行き帰りの経験が、彼らにとっては、目には見えない力になっているような気がしています。


きのくには、けっこう遠方から来ているお子さんが多いので、夜更かし会のときなどには、わが子の爆笑珍道中ぶりが披露され、「今だから笑えるよね〜」「あのときは、親のほうが泣いたわ〜」という話しがいっぱいです。


途中でお菓子買っちゃって、電車代が足りなくなっちゃったとか、電車の中にリュック忘れたとか。

でも、みんな、自分でなんとかしちゃってるんですよね。たくまし〜。


こうやって書きながら、当時のことを、懐かしく思い出しました。


あ、それから、親がついていくことはできないけど、低学年で心配、というご家庭は、大阪のベビーシッター会社と契約して、空港や駅から、橋本まので送迎を頼んだりしているところもありました。

たしか、ラビットサービス、という会社だったと思います。


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2009年9月17日 (木)

自由な学校で子どもは育つ

9月23日(水/秋分の日)、北九州子どもの村小学校にて、学園長 堀真一郎さんの講演会が開かれます。

副題は「イギリス サマーヒルの実例」です。


13:00開場、13:30 開演

3歳以上のお子さん数名託児ができるそうです。希望されるかたは、必ず事前にお問い合わせ、お申し込みをしてください。

また、小倉駅から送迎バスがでますので、こちらも事前申し込みが必要です。

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2009年9月15日 (火)

うれしいことば

2009年7月18日発行の『きのくに子どもの村通信 第94号』

ああ、もう94号もだしてるんですね〜。

毎回読み応え十分で、とても楽しみにしているんです。


今回の通信の中に、大阪で開催された『EDU COLLE (エデュコレ)という催しについての記事がでていました。


【多様な教育と出会う場をつくるというコンセプトのもと、多くの団体が集まりました。主催は、core+(コアプラス)といい、なんと卒業生の○○ちゃん(記事中は本名)が立ち上げた教育研究のあつまりです。】

ということで、もちろん、きのくに子どもの村もブースをだして、発表したそうです。


発表は、立ち見がでるほどの大盛況だったそうで、堂々たる受け答えぶりに、見に来たお客さんの中には、「ほんとうに中学生?」と目を丸くしている人もいたそうです。


質問タイムでの、きのくに子どもの村中学校の生徒の返答がいくつか書いてあったのですが、特に、その一つが、親として、とってもうれしかったので、紹介します。


Q: どんな大人になりたい?

A: お金もたいへんなのに、親は子どものために「きのくに」に入れたいって思ってくれて、私たちを入れてくれた。私も、自分の親みたいに子どもを大事にできる人になりたい。


自分の息子に言われたわけじゃないのに、妙にうれしかったです。(o^-^o)

あ、でも、Fが卒業するとき、「お父さん、お母さん、きのくにを見つけてくれてありがとう」って、言ってくれたなあ。


それにしても、この企画をした、卒業生の○○ちゃん、すてきです!メッセージが書かれているので、これも、紹介しちゃいましょう。


【「学校って何?教える、学ぶってどういうこと?教育って何?」これらの根本的な問いを、教育に関わるすべての人が考える機会をつくいりたい、この想いをもとに「教育の多様性体感プロジェクト coreプラス」を立ち上げました。

一人ひとりが今持っている教育観を壊して、新たな教育観を再構築する活動をしています。その方法として、いろいろな教育や人との出会い、そして対話を大事にしています。EDU★COLLEもそのひとつです。

これからも、教育の根本を真っ向からとらえる機会を創造していきたいです。】


こういう卒業生がいるなんて、誇らしい気持ちです。

そして、こういうふうに、表にでる人だけでなく、きのくにの、多くの卒業生が、それぞれの道で、輝いて生きているんだろうなあ、と、そんな気がしています。


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2009年9月 7日 (月)

文楽&熊森&エコ

東京近辺にお住まいの方にお勧めしたいもの ふたつ。

文楽と日本熊森協会のシンポジウムです。まずは、文楽のお話から。


9月5日6日、思い切って、東京まで、文楽を見に行ってしまいました!

http://www.ntj.jac.go.jp/performance/2789.html

7〜8月に行われていた大阪での公演は、どうしても都合がつかず断念。まさか、東京まで行こうとは思っていなかったのですが、HPを見ているうちに、耐えきれなくなって・・・。

だって、今回は、シェークスピアの『テンペスト』を中世日本に置き換えて翻案した、新作文楽も披露されるのです。題名は『天変斯止嵐后晴(てんぺすと)ー天変 斯くて止み 嵐 后に 晴となるー』 なんか、すてきでしょう?


それに、8月の初めに、ふと手に取った、雑誌の『クロワッサン』。なんと、それに、大好きな、桐竹勘十郎さんの記事がでているではありませんか!お気に入りにの器についての記事だったのですが、買うつもりもなく、なんとなく気になって、パラパラとめくった雑誌にでているなんて、これは、もう、私に、「見に行け」ということなんだな〜、と勝手に解釈して・・・。


5日に第二部と第三部を見て、6日に第一部を見て帰ってきました。

もう、最高!三味線やお琴の音色が、こんなに美しいと感じたのは初めてでした。

内容については、最後の部分が特にじ〜んとしたのですが、これを書いてしまうと楽しみ半減なので、書かないでおきます。


「文楽って見たことないし、難しそう〜」とおっしゃるかたは、ぜひ、第三部の『天変斯止嵐后晴(てんぺすと)ー天変 斯くて止み 嵐 后に 晴となるー』を見てみてください。幻想的で美しい舞台です。

HPやプログラムで、事前にあらすじをだいたい把握しておけば、わかりやすいですし、字幕もついています。

23日まで、東京半蔵門の国立劇場にて。ぜひぜひ、おでかけください。


さて、次は、日本熊森協会のシンポジウムです。

http://homepage2.nifty.com/kumamori/

『第三回 くまもり東京シンポジウムー奥山の生物多様をとりもどそう』
10月4日(日) 13:00〜17:00  於: 早稲田大学国際会議場


会場に溢れるくらいの人が集まってくれたら、マスコミも、もっと注目してくれるかもしれません。

自然は、植物と動物の両方が存在してはじめてなりたつものなのです。奥山に動物を棲めなくして、里へ下りて来たところを駆除し尽くしていたら、10年後、20年後は、いったいどうなるのでしょう。


動物の棲める奥山がまだ残っているから、日本はまだ、水が湧いているのです。でも、今のまま、動物を殺し、自然破壊をしつづければ、日本のレストランでも、まず最初に(無料の)お水がでてくる、ということはなくなるでしょう。


私は小学生から高校生、浪人時代まで、熊本で過ごしました。

熊本には、八景水谷(はけみや)公園という、こんこんとわき水の溢れるところがありました。学校の遠足でも、そこへ行きましたし、高校生のころは、山岳部の練習で、ランニングして、そこでわき水を飲んだりしました。


それが、10年ほど前に立ち寄ったとき、ほとんど水が涸れていて、底にすこ〜したまっているくらいだったのです。ものすごいショックでした。でも、それから今まで、私は何も行動をせずにきました。

熊森協会会長の、森山まり子氏は、「このままでいったら、60年後、もう水は湧かなくなるでしょう」と言っています。私もその通りだと思います。


私たちの世代が、こういうことをしてしまった、そのことに、責任を感じています。

間に合うかどうかわからない、何からすべきかもわからない。でも、とにかく、できる行動をしてみようと思っています。


このシンポジウムのことを知ったのは、文楽のチケットを買ってしまった後だったので、また行くのもしんどいですが、日帰りで行ってきます。東京在住の友だちも、「ぜひ参加したい」ということで、彼女との再会も楽しみに、しっかり勉強してきます!


ご都合のつくかた、ぜひ、ご参加お願いいたします。申し込みが必要です。

事前に会長の講演録(小冊子ー100円)を読まれたほうがわかりやすいと思います。お持ちでないかたにはお送りしますので、ご連絡ください。


だいぶ長くなってしまいました。


あとちょっと、環境問題に関して・・・。

最近、多くの施設のトイレで、ペーパータオル、もしくは温風の手指乾燥機が設置されていますね。

国立劇場のトイレでは、ペーパータオルでした。

ほとんどのかたが、これを使うんですよ。なんでハンカチを使わないんかな〜。

けっこう並んでいたので、観察してしまいましたが、だいたい、15人中、ハンカチ使うのが1人くらいです。

ハンカチは涙を拭くためで、手を拭くためじゃないってわけなんでしょうか?

エコバッグ持つのもいいですけど、ハンカチも使おうよ〜、と言いたくなってしまいました。


あと、高速道路の無料科は、やめてほしい!それより公共の乗り物に補助金をだして、価格をさげ、多くの人が、車より公共の乗り物を使うようにすればいいのに。


ああ、キリがなくなるので、このへんで。


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2009年9月 4日 (金)

アタマを使う体験学習

ある高校で「親子ものづくり教室」が行われ、その様子が新聞記事になっていました。


【親子でものづくりに親しむとともに、学校を身近に感じてもらおうと同校建築科が10年以上前から毎年企画。ことしは周辺の小学校4校から、午前と午後の部に合わせて54組の親子が参加した。

建築科3年の20人や教諭のサポートで、木製のふた付き小物入れ作りに挑戦。サンドペーパーで各パーツの木材の角を削った後、印を付けた場所にドリルで穴を開け、釘を打った。ー以下省略】


この記事読んで、何か、気になりませんか?


【各パーツ】

って、最初から所定の大きさに切り揃えられているのでしょうか?


【印を付けた場所にドリルで穴を開け】

この【印】って、最初から板についていたのでしょうか?

もしそうなら、失敗のしようがないですよね。


以前、堀さんが、幼児教室でのものづくりに関して、

「まず、はじめるなら、缶下駄づくりがいいですね。たくさん、いろんな大きさの缶を集めておくんです。その中から同じ大きさのものを二つ見つける、というのは、とても知的な作業なんです。」

という話しをしてくれたことを思い出しました。


そして、この間見た、南アルプス子どもの村小学校でのサマースクールの様子。

子どもたちは、適当な板を見つける、もしくは、切り出すところから始めていました。どこに釘を打つのかも、自分で考えていました。


白玉団子をつくっていた子どもたちは、ゆるくなったりかたくなったりの失敗を繰り返し、アタマを使って「良い塩梅」を見つけ出していました。


ビー玉パチンコの台を作っていた男の子は、考え込む様子が何度か見られました。


体験学習はアタマを使う、ということが、きのくにの教育を見てきて、よ〜くわかりました。

そして、子どもたちは、それをする力がある、ということもわかりました。


みんな、もっと、子どもたちに、任せてみればいいのになあ、と思います。


そういえば、もう少し前の新聞記事でしたが、やはり、子どもたちの「ものづくり」のことが載っていました。

夫が、「ちょっと、これ見てよ!なんか、びっくりするよな」と、新聞広げて持ってきました。


電車の先頭に張るような、ステッカーを作るということで、みんな出来上がったものを掲げて写真に映っていたのですが、それが、全員、同じなんです。

ブルーの台紙に白の【富士】という文字があって、その下に、番号(だったかな)が貼ってあるのです。


「切るのが大変でした」という小学生のコメントが載っていたので、たぶん、最初から書かれている文字を、切り抜いて台紙に貼ったのでしょう。


こういうこと、させる方もする方も、見てる親も、何も疑問に思わないんでしょうか?

私は見てて、ぞっとしました。


みんな同じ。
考えない。


こういうことに、慣れてしまってはいけないのではないかと、強く思いました。

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