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2009年5月22日 (金)

ニイルに学ぶ

きのくに子どもの村学園のなかに、「きのくに教育研究所」という部署(といっていいのかな?)があって、冊子を出版したり、シンポジウムを企画したりしています。

今、私が読み返しているのは、その、「きのくに教育研究所」が1999年に出版した『ニイル研究ー特集・ニイルに学ぶ』という本です。

この中には、現在きのくにのスタッフをしている方々の文章も載っています。正直な言葉の数々に、「ああ、こんなふうにして、ニイルを学んで、子どもたちと接しているから、きのくには、あんなにあったかいんだなあ」と思いました。

現在も、学園内での研修や、イギリスへの研修旅行などで、スタッフは研鑽を積んでいます。


『ニイル研究』の中から、すてきな文章、少し抜粋します。


【ー前略ー 学生時代、教育というのは、教師から子どもに与えなければならないものだと信じていた。子どもが大人によって準備されたものを、とにかく退屈しないで、忙しく取り組む姿。休みなく鉛筆を走らせ、手を挙げたりして活発にのぞむ姿が見られる授業。

こういう授業を教師はしたいと考える。そして、何もしないでいる子は注意をする。それは怠けであり、学校ではいけないことであるはずだからである。

しかし、クラスの中には、みんなと同じペースで進められない子がいて、どうしても時間を持て余す。楽しい活動をする時でも、生き生きした子どもの後ろには、参加できない子、フラフラしている子がいる。

私は、こうした子は、どうしたら生き生きと授業に参加してくるのだろう、と考えていた時期があった。

堀さんと共に参加した旅行で、サマーヒルへ行った時、ゾーイが言った。

「フラフラしている子、何もしない子はサマーヒルにもいます、でも、私たちは、『何もしない』という、そのことに意味があるのだと考えています。」

私は、「何もしない」ということは、進歩や成長がない、ということだと思っていたが、何もしないことを、成長の一つ、もしくは成長の過程なのだと考えると、心の中にあったモヤモヤしたものが吹き飛んでいったような気持ちがした。


教師は皆、子どもが活発であったり、意見を言ったり、文章をたくさん書いたりするのを見て、安心するはずだ。そうでない子がいると、焦ってしまう。

しかし、今、ここにいる子の気持ちが熟していなければ、どんなに楽しい活動を用意しても、子どもには響かないのだ。その時、教師は無力である。子どもに猶予を与え、待ってあげることこそ必要とされる場合だってある。

きのくにでの5年間で、ニイルの言うように、教育というのは焦ってするものではなく、子どものそばにいて、気長に待つことが大切だということ、そして、今まで家庭において、また、学校において、自分自身であることを許されなかった子にとってはなおさら、たくさんの時間を与えてあげなくてはいけないということを実感した。】
(*ソーイさんはニイルの娘で、現在サマーヒルスクールを運営しています。)


この文章を書かれたスタッフには、うちの息子たちも大変お世話になり、ほんとうに暖かく見守ってもらいました。今思い出しても、じ〜んと、胸が熱くなることが、いろいろと浮かんできます。


他のかたのも、全部載せたいくらいなのですが、我慢して(?)あと一つだけ、抜粋します。


【“ニイル”を知ったのは8年前。運良くきのくにで働くことになってからだ。それまでは、全く知らなかった。

きのくにでニイルのことをいろいろ知ることができた。最初は、正直いってニイルのたくさんのことばを受け入れられないのではなく、どういうことなのか理解できなかった。

でも、8年きのくにで生活し、子どもと関わりを持って、少しはわかってきたように思う。

また、自分に子どもができてからもより一層、気をつけないといけないことや、もっと勉強しないといけないことに気づいた。例えば、日頃の会話の中で、可愛さのあまり、「パパのこと好き?」と尋ね、「うん、好き」と言うまで、平気で連発していた、その他にもいっぱいある。

こういう日常の平凡な会話でも、子どもに負担をかけることなど、ニイルやきのくにに出会っていなければ、何も気づかずに通りすぎてしまったことだと思う。 ー後略ー】


うんうん、と、うなずきながら読んでしまいました。私も、これまでの、子どもとの会話で、思い当たることがたくさんあります。


こういうニイルの思想をスタッフがしっかりと学んでいる学校って、なんて安心感があるんでしょう。


私もまだまだ勉強しなくちゃ!

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