
この本は、熊本に住む、平野虎丸さんが書かれた本です。
たった今読み終え、改めて、政府、林野庁の無策ぶりとずるさに、ムカムカしています。それとともに、たった一人で地道に、勇気をもって活動を続けてこられた平野さんに対し、尊敬の念と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
平野さんと出会ったのは、11月22日。きのくにのシンポジウムを断念して参加した、熊森協会福岡支部主催の講演会でのことです。
講師のかたは二人で、お一人はドイツ在住の環境ジャーナリスト、村上敦氏。もうひとりが平野虎丸氏でした。
村上さんのお話はドイツのフライブルグ市の町づくりについてでした。将来を見据えた政策が、ほんとうにうらやましくなりました。
市街地で広葉樹なら1.5mまで成長した樹木は伐採してはならないという法律があるそうです。理由は、空気清浄作用、保水作用、日陰を作る温度調整作用があるから。
また、傾斜10度以下の平屋根には、法律によって屋上の緑化が義務づけれらています。コストのかからない工法を支援しており、見栄え悪いけれど、環境的貢献を重視しています。見栄え優先のどこかの国とはだいぶ違います。
平野さんは、「熱い、行動のヒト」、という感じでした!
平野さんが理事を務めるエコシステムでは、自分たちで山を購入して、そこで自然復元による実生の森づくりをしています。そこでは、ツリーハウスに宿泊できたり、プレーパークとして子どもたちがおもいきり遊べたりします。
私の好きな「たき火」だって、できちゃいます。
詳しくはこちらのホームページをごらんください、
http://www.ecosys-jp.net/
話しの前に、配られた資料に目を通しましたが、日本の林業のことは、全然知らなかったので、「えっ、どういうこと?」と、大変興味をそそられました。
まず、その資料の、冒頭の部分を抜粋します。
【国民の皆さんへ
日本の奥山が税金で破壊されていることをご存知ですか。
治山治水のために自然林として残すべき奥山を、林野庁や県の森林関係、森林組合の方々が、シカ、サル、イノシシなど、野生動物の棲みかを木材生産のために破壊しています。
棲みかを奪われたシカやサル、イノシシたちは、里山へ降りてきて、その降りてきたシカ、サル、イノシシたちを国や県の皆さんの税金で殺しています。
国民の大多数は実情がわからぬままに、農林業被害が出るなら仕方がないと思っておられると思いますが、野生動物には何の罪もありません。
*事実をここで明らかにします。
農林業被害は、林業関係者の奥山での林業暴走が原因です。
皆さんの血税を使って森林破壊を繰り返し、野生の命を無駄に殺し続ける公務員の横暴を一刻も早くやめさせましょう。森林環境税も森林破壊やシカ殺しに使われています。真実を知ってください。】
私のように、「ん?どういうことだ?」と思われたかたは、ぜひ、平野さんの本をお読みください。
『日本政府の森林偽装』 中央公論事業出版 税別1300円です。
講演会では、実生の木と挿し木の根の違いを見せてもらいました。
実生の木の根は、下のほうへしっかりと伸びています。一方、挿し木の根は、ひょろひょろと細いものが、横にだけ少し伸びています。このような木は、大きくなっても根が下にしっかりはっていないので、倒れやすく、土砂崩れの原因になり、また、水源涵養の役目も果たせません。
そういえば、当地でも、おととしの台風のとき、あっという間に大水がでて、あちこちで土砂崩れが起きました。古くから住んでおられるかたも、「こんなことは今までなかった」と言っていました。
自然林を伐採して、スギ、ヒノキばかりを植えて、花粉症を引き起こすわ、土砂崩れは起きるわ、野生動物はすめなくなるわの状態にした、その責任は誰もとらず、今なお、国有林を破壊しつづけている林野庁と政府の無策ぶりに、腹が立ちます。
結局、政治家さんたちは、地球のことも、国民のことも、実は、全然考えていないんじゃないかとさえ思えてきます。自分たちがお金儲けをしたいために、利権がからんだ、よけいな仕事をつくりだしているだけ。
平野さんが森林保護を始めた21年前、熊本市の九州営林局へ足を運び、そこの課長さんと話しをしたときのこと、課長さんは、こんなことを言ったそうです。
「広葉樹を皆伐して、スギ、ヒノキの苗を植えることはよくないことだとわかっています。しかし、他の仕事がないから、労働者(職員)に仕事を与えるために仕方なしにやっています」
私はこの日、行きたかったきのくにのシンポジウムを諦めて、こちらの講演会に参加しました。でも、二つはつながっていたことに気がつきました。
私が自由教育をもっともっと広めたいと思っているのは、子どもたちが自立して、自分の頭で考えられる人間育ってほしいと思うからです。
今、政治の世界を牛耳っている人たちのような、自分のことしか考えない人間にはなってほしくないと思っているからです。
こういう(営林局の課長さんのような)志のない人間にはなってほしくないと思っているからです。
今日、数人の中学三年生が診療にきましたが、「これから塾に行く」とか「受験なので2月末まで来れない」という話しがちらほらでてきました。
私も自分の受験時代を思い出し、「ああ、あの頃は、受験のことで頭がいっぱいだったなあ」と思い出しました。
でも、それじゃあダメなんだと思う。いくつであれ、その年齢に応じて、新聞を読んだり、本を読んだり、映画を見たり、音楽を聞いたり、おもい存分遊んだりして、社会や人と関わり、自分の意見を持つことが大切です。
そうでないと、バカな政治家みたいになって、しかも、そういう人たちの言うことを、何の疑いも持たずに受け入れてしまうようになる。そういう人ばかりになったら、利益を得たい、一部の人の笛に踊らされて、あっという間に戦争にも巻き込まれてしまうでしょう。
きのくにの教育を広めることは、絶対に大切なことなんだ、と、強く思いました。
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