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2008年9月27日 (土)

子どもの自由と限界

9月19日の記事『自由の限界』に掲載した、霜田静志氏の文章の続きです。


【子どもの自由は尊重しなければならぬ。いやがることを無理に強いるべきではない。子どもの欲することは、できるだけこれをとげさせてやる必要がある。

だが、さればと言って、子どもに自由にさせるために、大人はあらゆる不自由を忍んで子どもに奉仕するのであってはならぬ。何人も自分の自由に振る舞って差し支えはないが、ひとの自由を侵害する権利はない。

自分が風呂にはいりたくなかったらはいらないのはその子の自由であるが、母がはいろうとするのを妨害する権利はない。このことを学ばせることが真の自由を学ばせる道である。

然るにあの第三の母は、この大事な教育をしていないのである。これでは到底社会生活に適応しうる人物を育成することはできない。


多くの母は子どもに泣かれると、じきにそれに負ける。そのためにあたら愛児をできそこないにしてしまう。ルソーはあの名著『エミール』の中で、自分はエミールが我を張ってこれを通そうとして泣くときは決してそばへ行ってやらない。いつまでも泣かせておく。そして泣きやんだらそばへ行ってやる。

こうすれば子どもは、大人というものは泣く子はきらいらしい、泣く子は大人の相手にされない、ということを学ぶであろう、とこのように言っているが、何と多くの親たちはこの反対のことばかりしていることであろう。


彼らは子どもが泣きさえすれば、ことの如何を問わずそばに行ってやる。子どもが無理を通そうとして泣いているのであると承知しており、こういうのを通さしてはいけないと知りながら、泣かれるとうるさいもので、つい負けてしまう。こういう母に限って、叱ってみたりご機嫌をとってみたり、おどしてみたりすかしてみたり、数々にやってみて、それでも泣かれると、最後にはまけてしまう。


いけないことはいけない。できないことはできないと言いきって、泣いてもわめいても、かまわんでほうっておけばよいのに、それができないのである。

この辛抱ができないために子どもを損ない、後になって、どうにも手のつけられぬようなわがまま者を作り上げてしまうのである。


こういうと、子どもにはきびしくすべきである、叱ることも必要である、と言っているかに思われるかも知れぬが、そうではない。


叱るのでなしに、この教育をしっかりやるべきであるというのである。


わがままを言うときには、これを叱りもしない、ご機嫌をとりもしないで放っておく。ただ大人の自由を侵害しようとするときは、そのようなことをさせないように斥けるのである。これも叱って斥けるのでなしに、その限界を知らしめるように導くことである。


前号の『心理の開眼』のところで、4才のヘレンがマントルピースから置き時計を取ろうとした話しがでている。ヘレンの母はこれをガミガミ叱ったが、こういう場合あなただったらどうするか、とニイルはきかれて、それをとめるのは自分だって同じである。ただ違うのは、多くの親がそれは悪いことだからやめろと言うのに反して、自分は悪いとは言わない、それをされては大人が迷惑するからやめてくれ、と言ってとめるのだと言っている。


叱る教育と叱らぬ教育の違いがそこにある。


前者は権威をもって子どもに臨み、教訓を与えて子どもを善良ならしめようとするのであるが、後者はそのようなことをしないで、子どもに自由に振る舞わせておきながら、自由の限界を知らしめて、社会的な正しい態度のできるように指導するのである。】
(霜田静志氏復刻選集 第1集 p40-41より)


息子たちがきのくにに転入して、最初の1、2年(もっとだったかな?)は、お風呂も毎日入るわけでなく、洗濯もろくにしていませんでした。靴下なんて、ず〜っと同じの履いてる。

だから、空港まで迎えに行っての帰り、車の中で彼らがリラックスするために靴を脱いだりすると、ものすごいニオイが!

で、私、言いました。

「あのね、足がすごいにおいだから、飛行機の中では絶対靴ぬいじゃだめだよ。他の人の迷惑になるからね。」smile


自由教育がどういうものかを知らなければ、こうわめいていたでしょう。

「あんた、全然お風呂入ってないね!洗濯もしてないね!今度きのくに行ったら、必ず毎日お風呂入りなさいよ。洗濯もちゃんとしなさい!もう、すごいにおい〜。寮母さんにも、ちゃんとお風呂はいるように言ってもらうからね!」って。shock


*霜田氏の文章、とてもわかりやすいですが、それでも、何度か繰り返し読んでいただきたいです。繰り返して読まないと、肝心なところを見落としてしまうでしょう。

子どもが何か、つらかったり悔しくて泣いていて、親にそばにいてほしい気持ちのときにも、「子どもがわがままになる」とばかり、突き放してしまうのは、自由教育ではありません。文中にも、「エミールが我を張ってこれを通そうとして泣くときは」と書いてあります。(言わずもがな、だったかもしれませんが・・・。)


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コメント

本当に、具体的でわかりやすく説得力のある文章ですね。子どもがもっと小さい時、これを読む機会があればよかったのに。
孫で実践するしかないか・・・

投稿: むさし | 2008年9月27日 (土) 22時23分

>孫で実践するしかないか・・・

アハハ、同感です!
あ、でも、今の家族の中や近所の子どもなど、いろいろ応用できそうですよ。

あと、息子の名誉のために補足ですが、今はふたりとも、お風呂、歯磨き欠かさずの、清潔イケメンボーイズで〜す。

投稿: mami | 2008年9月28日 (日) 22時22分

男の子の靴下はキョーレツですよ~(笑)
でもいつのまにかきれいになるんですよね。
ところで、10/11小倉で堀さんの講演会を行います。是非お越しください。PRもお願いします。

投稿: Tom | 2008年9月29日 (月) 08時49分

Tomさん、こんにちは。
堀さんの講演会,10月11日って書いてあったから、びくりしたよ〜。その日はきのくに子どもの村学園で中学校15周年のイベントがある日。堀さんは小倉で講演して、すぐきのくにに戻って、夜はきのくにでお話するんですね。相変わらずタフですね。次の日は運動会ですし。

堀さんのおっかけとしては、そちらに行けないのが残念ですが(朝からきのくにへ行くので)、関心がありそうなかたに、お知らせしてみますね。

投稿: mami | 2008年10月 2日 (木) 23時19分

息子が言うには
堀さんは木曜日に中3の授業をして
翌金曜日朝4時に南アルプスへ向かい
土曜日にイギリスへ発ち
10日に工務店の小学生とともに帰国、
11日は九州からきのくに、
というスケジュールだそうです。

相変わらず、恐るべきタフさですね!


でも、月に行って帰ってきた?走行距離のパジェロをとうとう手放すおつもりなのか
新しいパジェロのパンフレットをご覧になっているとか。

息子たちは「なんだかな〜」とさびしがっているようです。

投稿: remo | 2008年10月 4日 (土) 16時10分

remoさん、こんにちは。在校生ならではの情報、ありがとうございます。N(在校生なのに)からは、全然情報が入りません。(* ̄ー ̄*)
堀さん、すごいスケジュールだあ!いつまでも健康でいてください、と祈るような気持ちです。

バジェロ、さすがに買い替えですか。堀さんもきっと、すごく寂しいでしょうね。苦楽を共にしてきた愛車ですものね。

投稿: mami | 2008年10月 6日 (月) 14時47分

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