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2007年12月 8日 (土)

教育とは、生きることそのもの

【教育は「人生の準備」ではない。教育とは生きることそのものである。人生の目的は、幸福、すなわち興味あることを見つけることだ。】

これは、A.S.ニイルが著書『問題の子ども』の中で書いた言葉です。


この言葉に出会う前、まだ、息子たちがきのくにに入る前に、私は掘さんの著書、『自由学校の子どもたち』(黎明書房)のなかで、きのくにの保護者さん(Iさん)が書いた文章にいたく感銘を受けました。それはこんな文章でした。(P.190)

【多くの人は、自分自身では強く意識していないけれど、このかけがえのない人生を予行演習的感覚で終わらせてしまっているのではないだろうか。一学期は二学期のため、五年生は六年生になるため、大学に入っても、就職しても、結婚しても、いつもそれ以降の人生のための準備・・・。

今生きていることが人生の本番そのもの、そういう感性で日々を過ごしてほしい。子どもは、大人になるための準備の期間ではないのだと、少なくとも潜在意識での子どもなりの自覚を持っている。】


この文章を読んだ時、「ああ、これって、私の人生だったなあ」と思ったのです。小学校のときから、「いい高校」「いい大学」に入ることを意識していました。頑張って進学校に入ったら、もう、次は大学受験が待っていました。なにか、いつも「今」がなくて、先ばかりみて焦っていたような気がします。

Iさんの文章を読んで、「きのくになら、子どもたちは貴重な“今”を存分に楽しめるだろう」と確信しました。
それから9年がたち、思った通りになりました。ほんとうに心が楽だし、幸せです。


でも、こんな感じで、すっきりときのくに魂(?)の虜になる保護者ばかりでもないんですね。

この間の運動会のとき、たまたま隣でお弁当を食べていた保護者さんに言われました。

「Fくんみたいに、中学のときからやりたいことみつけて、それに邁進していける子って、100人に一人いるかいないかだよ。」って。

そのかたは、中一の息子さんがいるのですが、まだ中学に上がる前から受験のことで焦りだしているらしい、という話しを、人づてに聞いたことがありました。

人づての話しで決めつけちゃいけないな、と思っていたのですが、そのときの口調を聞いて、「ああやっぱり焦ってるんだなあ」と感じました。

「100人に1人だよ」、のあとに、「ウチの子は、そういうのを見つけられてないから、やっぱり人並みにある程度の高校に入るための準備をはじめなくちゃ」という言葉が聞こえるような口調だったから。


この間のシンポジウムでも、「親はドリルをしなさいとか、あれこれ言うけれど、オレは心配してない」と言っている子がいました。ほんとに、どうして親が子どもの成長を邪魔するのでしょう。どうして、「今」を存分に味あわせてあげないのでしょう。ものすご〜くもったいないことをしてるってことに、気がついてほしいです。


【教育は「人生の準備」ではない。教育とは生きることそのものである。人生の目的は、幸福、すなわち興味あることを見つけることだ。】

すべての大人に、自分の人生と照らして、じっくり向き合ってほしい言葉です。

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コメント

こんばんは♪

私もIさんの同じ言葉がずしんと心に刻まれたことを覚えています。
その後に続く、お嬢さんとの漢字の書き方についてのやりとりの部分、あそこで完璧にやられましたね(笑)
「いいなあ、小さいうちからこんな風に自分の意見をさらりと言えるなんて。最高だなあ」

きのくにに初めて見学に訪れた説明会で
堀さんに、そのことを伝えたとき
「一応、書き順も教えますけどね…こっちの方が書きやすいよって」

もちろん、きのくにでは書き順を無視していいって教えているわけではなくて、ちゃんと知識として伝えていて、その上で
もっと大事なことを教えてくれていると思います。

書き順にこだわるより、覚えた文字で何を伝えるかってこと、
自分の考えをどう表現していくかってこと、など。

あー、とまりません。きのくにっていいなあ。

漢字の書き取りやっているムスメに
「別にいいじゃん、やんなくても」と言っているあまのじゃくな私…
習い始めで、ワクワクしている興味を失わせてはいけませんね(恥)


投稿: iku | 2007年12月15日 (土) 01時25分

ikuさん、こんにちは〜。お元気ですか?

相変わらず熱いですねえ〜。(笑)
私も、あの「書き順」のところ、すごく好きな部分です。ああいう感じ方、親子のやりとり、新鮮ですよね。

投稿: mami | 2007年12月17日 (月) 12時52分

せわしない日が続いて、読み逃げばっかりしてました。お久しぶりです。

「【教育は「人生の準備」ではない。教育とは生きることそのものである。人生の目的は、幸福、すなわち興味あることを見つけることだ。】

すべての大人に、自分の人生と照らして、じっくり向き合ってほしい言葉です。」


大共感です。
今、多くの子どもが置かれている状況は、「将来のために今は我慢しなさい」みたいな、押し付けが多すぎますよね。

 きのくにでは親も子もたいせつな「今」を日々楽しめます。
「楽しい」というと、「楽しいことだけさせていてはまともに子どもは育たない」とか言われることが多くて、多分、「放任放埓」みたいなイメージで受け取って言ってるのでしょうけど、「楽しい」ってそんなに悪いこと?
生きていくツールとして、知識を得ることは、本来楽しいことなのに、今の多くの学校は「楽しく無く」しておいて、「我慢しろ」と言っているように感じます。

投稿: むさし | 2007年12月23日 (日) 13時40分

むさしさん、お久しぶり〜。ってか、私も自分のブログに登場、久しぶりです。あっという間に月日がたっちゃって・・・。すみませ〜ん。

>生きていくツールとして、知識を得ることは、
>本来楽しいことなのに、

「学力低下」論が大好きな人たちには、こういう考えが、抜け落ちているような気がします。
きのくにみたいに、楽しく学ぶのが、結果的に一番労力を使わずに力をつけられるような気がします。

投稿: mami | 2007年12月25日 (火) 22時43分

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