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2007年7月 9日 (月)

つり銭を間違えなければ

本日の朝日新聞4面、【きょうの予習 参院選特集ー教育改革ー】の、堀田力氏(さわやか福祉財団理事長)が、【多様な受け皿こそ必要】という見出しで、とってもよい話しをされていました。

朝日をとっていらっしゃるかたは、ぜひ、お読みください。とってないかたも、ぜひ。


少しだけ転載します。


【ー略ー
このように「自分なりの生き方をして、物質よりは心の満足を」と考えているいまの多くの子供たちを、旧態依然とした偏差値教育に閉じ込めたら、どうなるか。精神がゆがむに決まっている。

小学校も低学年から荒れる学級が生じ、以降も無気力、引きこもりの子供たちが増えて、非行の質も残虐になってきているのは、大人たちの押し付けや締めつけに、彼らがあげる悲鳴である。

それなのに、それに応えようとした「ゆとり教育」が一歩踏み出そうとしたとたん、待ったをかけたのは、「そんなことではウチの子は有名校に入れなくなる」と不安がった保護者たちと、自分たちの「成功物語」を否定された官僚、政治家、財界人だった。そして、そのような声に乗り、時代の変化に極めて鈍感に、子らの意欲をそごうとしているのが安倍内閣の進める教育改革といえる。

ー略ー

ことあるごとに「いまの子は基礎学力が落ちている」と強調する人たちに言いたい。一律の要求が子供の意欲を奪ったのである。すべての子供に要求する義務教育としては、つり銭を間違えないだけの算数の能力と、新聞の見出しの意味をおよそ理解できる国語力で足りるだろう。あとの能力は、その子の希望で伸ばしたいだけ伸ばせばよい。みんなの自立の意欲と共助の精神を育てることが大切だ。】


教育バウチャー制度とか学校選択制とか、話題になっていますが、「どれだけ知識を詰め込んで、有名校にたくさん合格させるか」という基準しかないなら、選べる意味がないと思います。いくら学校がそれぞれ工夫して、親と子に選ばれるような努力をしても、その価値基準が「学力アップ」だけでは、どうしようもないです。


堀田氏は、【教育現場に競争を持ち込むのもいい。だが、それなら学校同士を「多様性」で競わせるべきである。】とおっしゃっています。

その通りだと思います。


結局、親が価値観を変えないと、教育は変わらないってことですね。

【すべての子供に要求する義務教育としては、つり銭を間違えないだけの算数の能力と、新聞の見出しの意味をおよそ理解できる国語力で足りるだろう。】

こういうふうには、どうしても思えない親が多すぎる!


Nの愛読書のシャーロック・ホームズ第一巻の裏表紙の紹介文に、こんな文章が書いてあります。

【文学の知識ー皆無、哲学の知識ー皆無。毒物に通暁し、古今の犯罪を知悉し、ヴァイオリンを匠に奏する特異な人物シャーロック・ホームズが初めて世に出た。】


そう、シャーロック・ホームズは名探偵だけれど、知識にものすごい偏りがある、という設定なのです。

ホームズが地動説や太陽系組織を全く知らないことを発見したとき、ワトスンはものすごく驚きます。それに対して、ホームズは、こんなふうに言うのです。

「僕にとってそんなものがなんになるものか!君は地球が太陽の周囲を回っているというが、たとえ地球が月の周囲を回転しているとしても、そんなことで僕の生活や僕の仕事に、なんの変化もおこらないんだからね。」


これを読んで、クスッと笑える家庭は、幸せだよね。

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