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2007年5月 5日 (土)

絶望はしていない

4月29日、きのくに子どもの村学園での春祭りの日、野田正彰氏(精神医学者、関西学院大学教授)の講演会がありました。

タイトルは『子どもの成長が親の社会観の変化につながる学校』


最初、野田氏は、「みなさんは子どもさんがきのくにに来ておられるので、現在公立小学校の現状をご存知ないかもしれませんね」ということで、京都のある公立小学校の通知表の内容について、話しをしてくださいました。

実際の通知表を持ってきてくださったのですが、それは、なんと14ページにもわたるもので、内容も、信じられないような事細かさ。

たとえば国語は、各単元ごとに、【国語への意欲・・・】【話すこと、聞くこと・・・】【書くこと、読むこと・・・】など、それぞれにABC評価をつけ、さらに【全体の評点】というのを11個つけなければならないそうです。

これらを毎学期、全部の教科について行い、学年末の総評価もいれると、一年で272項目の評価をすることになります。こんなことが、ほんとにできるのでしょうか?でも、しなければならないんですよね。こういうことを課せられている先生がたは、どんな精神状態になってしまうのでしょう。子どもの気持ちなんかに、かまってられないんじゃないでしょうか?

おまけに、その通知表の表紙は【神社】の挿絵が描いてあります。


他にも、教育界の危険な状況の話しがありました。


そして、私たちは、どうするべきか、というところで、以下のような話しがありました。(メモを取るのも限界があり、あくまでも、私が書き取れた範囲でまとめたものです。)


【人間の幸せ、喜び、というのは、親しい人と深い交流ができること。その点で見たとき、親子が人として交流できていて、喜びがあるか。

大人が子どもから得ているものとして、生きていることのあたたかさややわらかさがある。きのくにでは、子どもの可能性が開かれているのに驚く。訓練による教育の成果を遥かに越えた成長がある。

みなさんは、子どもと交流して、今の教育を変える力をつけてほしい。】


最後に、「今の教育の状況はとても悪いが、私たちはどうすればよいと思いますか」という質問に、このように答えておられました。


【まず、政治を変えることです。そして、子どもの、違う生き方をつくっていくことです。私は絶望したことはありません。絶望は、所詮からまわりでしかない。

どんな強固に見える社会体制でも、変わるときは変わるのです。それは、外の影響で変わることが多い。この国で多数であることが、人類にとって多数ではないのです。】


ものすごく勇気のでる言葉でした。そして、私も、たまたまきのくにに出会って、幸せな親子関係を築かせてもらっているけれど、これを、「我が家の幸せ」だけにしないで、社会を変える力をつけていきたい、行動していきたい、と、心から思いました。


*あの講演をお聞きになったかたで、補足、訂正などありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

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コメント

mamiさん、こんにちは。いまちょうど野田正彰さんの「子どもが見ている背中ー良心と抵抗の教育」(岩波書店)という本を読んでいます。講演を聴かれたとはうらやましいです。その本の目次を挙げておきます。「心の教育」が学校を押しつぶす、「民間人校長」はなぜ自殺したか、「君が代」強制によって、学校はこんなに変わった、思いを打ちくだかれる教師たち、コミュニケーションを奪われた子どもたち。
幼児保護者の私でも、「これから公教育はどうなるのだろう」と心配になります。
先日お願いしてきのくにの通信を送っていただきました。その中で堀さんが「日本の学校が右旋回を強めたいまこそ、うちのような自由教育の学校が頑張らないと・・」と書いておられました。本当に心強い限りです。
ところで、きのくにの行事で、私たちのように保護者でない者が参加できるものがありますでしょうか?サマースクールは見学時に教えていただきましたが、そのほかにあれば教えていただきたいです☆

投稿: まい | 2007年5月 6日 (日) 15時32分

 野田さんの講演で私も感じた事を少し書かせていただきます。
マミさんが書かれているように、公立の教師の方々はこの通知表を付けるのに莫大な時間を取られます。真面目に一生懸命に努力される先生程、まともに評価をつけ、時間が無い事になやみ、精神を病んで学校から離れられます。
いいかげんな人は適当に済ませてしまうでしょう。
これは大変恐ろしい事です。
良い教師が日本中から消えてしまう事になります。
 私は自分の体験から現在の教育ではまともに子供は育たないと思って「きのくに」を選びましたが、現状は私の考えより遥かに悪化の道をたどっているようです。
本当に「きのくに」に入れて頂けて感謝している毎日です。

 野田さんの講演を聞くまでは、世の人々にいくら自由教育のすばらしさ、管理教育の怖さを訴えても誰も耳を貸さない・・・まぁ耳を貸さない人達は、それはそれなりに上手く生きてこられたのだろうから、それでいい、自分の子供達がこの教育を受けられたのだから、それでいいや(諦めの境地ですね)・・・こんな考えが在りました。
 でもあの日から変わりました。
耳を貸さない人達はしかたありませんが、何千人かに1人でも自由教育の大切さを認識してくれる人が今後出てくるかもしれない・・・そんな人達にこの「きのくに」を残していかなくてはいけない!!そんな気持ちになりました。
 堀さんが何時も言われます。「きのくには、きのにくにの子供だけのものではない」この言葉の意味の重さが物凄く実感された一日でした。
今後私の残り少ない人生においてどんな事が起こるのか見当が付きませんが、出きる事なら自由教育を残す為に何か役に立ちたい・・・そんな気持ちで一杯です。

投稿: ちゅりぼう | 2007年5月 7日 (月) 10時06分

まいさん、このあいだ教えてくださった「ニートって言うな」を今読んでいます。野田さんのは「させられる教育」を読みました。「子どもが見ている背中」もぜひ読んでみたいです。

保護者以外が参加できるもの・・・毎年シンポジウム、教育講座などが開かれまして、これは誰でも参加できます。今年の予定はまだ未定ですが、HPでもアップされますし、私からも連絡しますね。
あと、保護者の友達ってことで、運動会を見にくるかたもいらっしゃいますよ。ちなみに今年は21日です。よろしかったら、どうぞ。他にもあるかもしれないですが、とりあえず、今思いついたところです。

>ちゅりぼうさん
「きのくには、きのにくにの子どもだけのものではない」
私もこの言葉がいつも胸にあります。
きのくにのような自由学校が存在し続けて欲しい、増えて欲しい。そのために何かできる自分でありたいと思います。
ちゅりぼうさん、子どもが卒業しても、連絡とりあって、きのくにのために何かしたいですね。

投稿: mami | 2007年5月 7日 (月) 22時32分

まみさん、さっそく教えてくださってありがとうございます☆シンポジウムや教育講座、ぜひ出席してみたいです。運動会は今月でしょうか。運動会も「きのくに」らしくて、ユニークな上に出たい種目に自由に出るそうですね。野田さんの「させられる教育」も読んでみたいです。タイトルからして、刺激的な感じです。いまは公立小中に配布される「心のノート」(道徳副徳本・・しかし使用は強制)について調べたりしています。「ニートって言うな!」にもありますが、社会や政治に対して正しく見る目を養わず、すべてを各人の心のせいに帰着させようとする風潮はとても危険だと思います。きのくに、かつやまなど自由学校からたくさんのことを発信し続けてほしいです。

投稿: まい | 2007年5月 8日 (火) 21時28分

まいさん、すみません!運動会は【10月】21日です。今朝夫に、「10月って書いてないよ」と指摘され、気付いた次第です。
「心のノート」も、全く怪しいですね。とても抵抗を感じます。

投稿: mami | 2007年5月 8日 (火) 23時43分

まみさん、さっそくありがとうございます。運動会、どなたかのお友達という雰囲気で見に行かせてもらうかも。「心のノート」とても怪しいです!岩波ブックレットから「「心のノート」を考える」(三宅晶子さん)という本が出ています。

投稿: まい | 2007年5月 9日 (水) 16時30分

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