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2007年4月 1日 (日)

母の鏡

先日治療に来た小学三年生の女の子、Mちゃんは、四人兄弟の長女で、すぐ下に弟、その下に妹二人がいます。

小学校に上がる前からきているのですが、とっても明るくて、かわいい子なんです。治療もあまりこわがらないし。


一番下の子は、まだ0歳の赤ちゃんですから、お母さんは毎日さぞ大変と思うのですが、しんどそうな様子はなく、いつも穏やかな笑顔です。

Mちゃんに対して、「お姉ちゃんなんだから・・・」とか、「ちゃんと下の子を見てて!」などと言ったことはなく、四人の子、それぞれを尊重して、向き合っている、という感じなのです。


三番目の子(2才)がフッ素塗布をするときには、自分の歯ブラシを袋から出そうとしていたのを、「早くしなさい」とせかすことなく、自分でやるのをやさしく見守っていました。

ましてや、本人がしようとしているのを無視して、お母さんがさっさと袋から出してしまう、ということもありません。

帰りに靴を履くのも、多少時間がかかっても、本人が自分でやりたそうだったら、手を出さずに待っててあげているのです。いらいらした声をだすこともないんです。


私、このお母さんのこと、ほんとうに尊敬しています。子どもたちが、みんな笑顔で柔らかい雰囲気に育っているのも、このお母さんを見れば、当然です。

「先生にちゃんとご挨拶しなさい」とか「静かにしなさい」なんて、口うるさいことは一切言わないのですが、子どもたちは、ある程度の節度を守って、それでいて、のびのびと活発です。


社会的な仕事で大きな業績を残すのもすごいけれど、私は、子どもの意志を尊重してあげて、ゆったり子どもを育んでいるこのお母さんは、とてもすばらしい仕事をしているなあ、と思うのです。

今度お会いするのは、4ヶ月後。いつも来院されるのが楽しみです。

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コメント

 私も、こんなお母さんになりたい・・・こんなお母さんに育てられたかった・・・
 でも、きのくにを知る前は、今よりもっとずっとひどい母でした。
 振り返って思うに、私には、もともと「きのくに」を大好きになるような素質はあったのだけど、それを知る前は、周囲の環境に翻弄され、追い詰められていたのだと思います。
 マイペースで、成長発達がゆっくりなわが子。それは、自分に似ているのだから、子どもの気持ちが一番理解できるのは、私自身。だから、ゆっくり成長することを待ってやりたい、と思っていたはず。
 なのに、遅刻も休憩も許されない、「あれもこれも完璧にやって当たり前、この年齢でできないのは怠けてるから」という地元の公立小中学校の先生や、「自分が完璧に出来てるから他人も出来るはず」と思い込んでるような保護者たちに親子とも追い詰められていたと思います。
 よくあんなしんどいことに狂奔させられてたなぁ・・・と、腹がたちます。

 ある時、高専の保護者が、「こどもが昼夜逆転で困る」と話したところ、スタッフは、涼しい顔で「それが何か?」と言ったそうです。
 もちろん、「きのくにでは、昼夜逆転が推奨されてる」とかいうことではありません。「そんなこと位で親がうるさくガミガミいう方が子どもにとってよくない。自分で気づいて成長する力を信じて、見守りましょう」ということだと思うのです。こういう大人側の懐の深さというか、包容力というか、それが、すごいと思います。
 そうして見守っていると、子どもはちゃんと、自分の頭で考えて、変わってゆくのです。
 子どもには、「失敗する権利」も「ゆっくり成長する権利」もあると思いますが、公立の学校では、それを保障してやれませんでした。
 
 マイペースな長女に比べて、二女は見てやらなくても完璧に宿題を仕上げて、学校でも先生に気に入られるいい子でした。
 「ちゃんと適応してた子を、わざわざ変な学校に入れたがる変な親のせいで、かわいそうに、できる子まで変になった」と地元の学校の先生は思ってるだろうと想像してるのですけど・・・残念ながら、多分、その位、自由教育に偏見持ってる教師が多いと思います。(最初とすごく話がそれちゃったけど。)
もっと、「きのくに」をちゃんと理解しようとしてくれる教師や親が増えてほしいと思います。


投稿: むさし | 2007年4月21日 (土) 23時47分

むさしさん、すごく共感します。

私は息子が小学校に上がる前に、五味太郎さんの『大人問題』をよみました。それで、自分でもすごく頭が柔らかくなったような気がして、「学校なんてなにがなんでも行かなくちゃならないところじゃない」と思うようになりました。

でも、実際、小学校に入学して、日々の生活が始まったら、もとに「ひどい母親」になっちゃいました。

毎日宿題がでて、学校にもって行くものは山ほどで、「宿題していかなくて、息子が落ちこぼれたり、忘れ物して叱られたりしたらわかいそう」と思って、結局、キリキリ、イライラの、お母さんやってました。

ほんと、なんか、追いつめられちゃうんですよ。

きのくにに入って、「こんなに穏やかな世界があったのか!」と、目の前がぱーっと明るくなりました。

きのくにでは、授業(プロジェクト、基礎学習、チョイス)に必要なものは、全部学校に置いてあるから、「忘れ物」の恐怖がないし、宿題もないから、誰もイライラ、ガミガミ、ビクビク、の必要がないんですよね。

それでいて、いろんなことを学んで、楽しみ、自己肯定感にあふれている子どもたち。こんな平和があるのに、どうして、多くの学校では、しんどい方にばっかり進むんだろう。

投稿: mami | 2007年4月22日 (日) 22時27分

何か、めちゃくちゃ早い時間で、すみません。
私もまったく同じことしてました。
小学校上がる前からです。
オムツが取れた、言葉が話せる、絵が上手に書ける、
服が一人で着られたって同じ年齢の子どもを持つママ同士の会話が毎日こんな感じでした。
うちの子は、早生まれでゆっくりさんだったので、
そりゃあ、焦りまくりました。
小学校に入学してからは、皆さんがおっしゃる通りの
イライラガミガミで、ほんと、内心疲れてました。
テストの点数で子どもを評価するなんて、きのくにじゃあ「バカじゃないの?」って言われそうなくらい、
私もいい点数取ってたら誉めまくって、そうでなかったら、頑張れってはっぱかけて・・・。
それで、何になるの?って言われたら、言葉が出てきません。
きのくにに編入してから、宿題や課題に開放された
子どもを見たら、「何でもっと早くきのくにを知って
入学させてなっかのか」って思います。
昨日、子どもが、どうしても調べないといけないものが
あるからって、自ら机に向かってネット検索してました。それが、もう真剣そのものでした。
私は隣の部屋でさっさと寝ちゃってましたが(笑
ちょっとずつですが、変わっていく子どもの姿見て、
私も一緒に変わって行きたいなぁと思いました。

投稿: ちゅん太 | 2007年4月23日 (月) 07時17分

mamiさんの記事とみなさんのコメントを読ませていただいていたら、何だか私もイライラした子育てしているのでは・・・と、とても考えさせられました。
きのくにに憧れる母ですので、普通の(と言ったらヘンですが)点数や学歴にはほとんどこだわりはないという自信はあります。
でも、私のなかにそれとは違う「理想」というか受けさせたい教育があって、それに向けてやはり子どもに無理をさせているような気がしてきました。
また、教育基本法問題をきっかけに小さな市民運動(もどき)をするようになって、心身ともに疲れているのも確かです。子どもに接するときに、その余裕のなさが出ているように思います。
「子どものために」と思ってやっていることが、何か裏目に出ている部分があるようです。
みなさんのように、ゆったり、ほっこりと子どもと過ごしたいなあ。
もう一度、家族の暮らしを見つめ直してみます。

投稿: まい | 2007年4月24日 (火) 16時09分

>きのくにに編入してから、宿題や課題に開放された
>子どもを見たら、「何でもっと早くきのくにを知って
>入学させてなっかのか」って思います。

ちゅん太さん、私も同じこと思いました。でも、それぞれが、グッドタイミングできのくにに出会っているんですよね、きっと。今はそう感じています。

子どもがどんどんすてきに成長する様子を見ながら、親もいろんな人と出会って、話して、きっと成長しますよね!

まいさん、ほんとに、何かを一生懸命にやっているときに、穏やかな気持ちを保ち続けるのは難しいですよね。私もエラそうなことばかり書いてますが、余裕がなくなるときがあります。

ときどき立ち止まって、自分や家族、暮らしを見つめ直すことって、大切ですね。

それと、お子さんは、きっとまいさんのことを誇りに思っていると思います。まだ小さくても、「お母さんは、こういう気持ちでこの活動をしてるのよ。」って話してあげていれば、通じますものね。

投稿: mami | 2007年4月25日 (水) 22時48分

mamiさん、お返事ありがとうございます。気分の波があって、と言ってもわりと沈みがちな方ですが、特に元気がなくなった時にmamiさんから励ましていただいて、嬉しかったです。自然体で市民運動をするのが私の課題かなと思います。「買い物に行ってきた」とか「プールで泳いできた」とかと同じ気持ちで「さっきピースウォークに参加してきたよ」「いま、会の通信作ってるんだ」という感じでやっていきたいです。

先日、イラク開戦4年のピースウォークは子どもと一緒に行きました。子どもをみていてくれる人がいなかったためですが、子どもも小さいときから社会の動きや世界の人たちのことに触れてもらいたいと思っています。

投稿: まい | 2007年4月28日 (土) 10時46分

先日の春祭りで、精神科医の野田正彰氏の講演があったのですが、とても勇気がわきました。後日書きますね。
お子さんと一緒にピースウオーク、すてきですね。

「大切な記念品」にコメントつけてくださった、ゆうさん、も、いろいろ活動なさっています。いつか一緒に会って、お話できたらいいなあ、なんて思っています。
それから、ブログトップページにまいさんとさきさんのHPアドレス掲載しようと思ってます。(もしマズかったら、ご一報ください。)
でも、なにせPC苦手なので、ちょっと先になると思いますが・・・。)

投稿: mami | 2007年5月 1日 (火) 22時20分

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