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2007年1月21日 (日)

権力に負けない

ここ最近、ちょっとド〜ンとくる映画を二本見ました。

『麦の穂をゆらす風』 と 『それでも僕はやってない』 です。


『麦の穂をゆらす風』は1920年のアイルランドが舞台。冒頭、いきなり、イギリスの武装警察が、理不尽な理由で、いとも簡単にアイルランドの若者を暴行し、殺します。
彼の友人で、ロンドンで医者として働くことになっていたデミアンは、独立戦争をたたかうことを決意するのですが、簡単にはいかない、それはそれは悲惨な戦いに突入してしまいます。


『それでも僕はやってない』は、痴漢に間違われた青年が、身の潔白を証明するために、裁判で闘うもので、実話をもとに作られたそうです。これはまだ公開されたばかりなので、詳しくは書かないでおきますね。


両方を見て思ったのは、権力に弱い人間がのさばる限り、平和から遠ざかる、ということです。


『麦の穂・・』では、イギリスの武装警察隊の、権力を笠に着た横暴な態度に、ムカムカしました。その人自体が偉いわけでもないくせに、警察の制服を着ただけで偉そうな気分になる。こういう人、いますよね。20才そこそこで「先生」と呼ばれて、すっかり自分が偉いような気がしちゃうカンチガイオトコとカンチガイオンナ。


『それでも僕は・・』では、痴漢に間違われた青年の弁護士が、こんなことを言います。

「裁判官が無罪判決を出すのは、検察の判断を否定るすこと。それは国家権力にたてつくことになるんだ。」

今の社会は、結局、信念や勇気とは無縁の、自己保身しか考えてない、権力におもねる輩が勝つような構造になってるんでしょうか?


今朝の朝日新聞に、首都圏で中学受験が5万人を越える、という記事がでていまして、その中で、【塾でのクラス分けなどを通じて「あの子はすごい」「この子はたいしたことない」と「ランクづけが進みがち】という話しがありました。

こういう教育をしていては、素のままの、その人の良さを見いだすことが難しくなります。常に自分より上か下か、という視点が入ってきて、「下」の人を見下す気持ちがおきます。「成績がよい」「偏差値の高い学校に入った」自分が、そうでない人より偉い、と思ってしまうのです。


いつも上下関係で人を見ていると、権力におもねる人間ができあがります。また、暗記中心の詰め込み教育は、社会に目を向ける余裕を奪います。

数週間前の、朝日新聞の投稿欄に、高校生の文章が載っていました。

高校の歴史の授業中、先生が、ある事件の話しをしたのだか、それは簡単な説明にとどまり、「これは試験にでるから覚えておけよ」と言っただけだった。えっ?それだけ?私はどうしてその事件が起きたのか、それをもっと詳しく知りたかったのに、という内容でした。


18日の『口うるさいのは最悪ですね』の中で紹介した、堀さんの著書『ニイルと自由な子どもたち』の中に、こんな文章があります。


【ニイルの教育思想に共鳴し、サマーヒルの実践に学びながら自分自身の教育理論を構築しようとするときに、私がもう一つ重視したいのは、政治や社会の実態を見つめ考えるような活動を子どもに用意することである。 

    ー略ー

私たちはだれでも、詰め込み教育を批難し、その弊害について警告する。しかし、イギリスでは考えられないほどのこの詰め込み教育が、だれによって要請されているのかを考えてみようとする人は少ない。

私の結論は、これを求めているのは、日本の産業界だということである。産業界は職場における「徹底した能力主義管理」を遂行するために、学校においても落第、飛び級などをも取り入れた能力主義教育を実行するよう率直に(つまり露骨に)文部省に働きかけているのである。

   ー略ー

現在の日本において、詰め込み教育に反対する教師は、必然的に政治的社会的な関心をもたないわけにはいかない。詰め込み教育は、単に教育学だけの問題ではない。むしろ政治や経済の問題なのである。】
(P.258,259)


今回私は映画を見、この堀さんの文章を読んで、息子たちがきのくに子どもの村で学んできたことは、ほんとうに価値のあることだったと思いました。

たまたまきのくにに出会い、なんとか行かせることができた、それは、自分の家族だけの平和にとどまらないと思うのです。


社会を良くするのも悪くするのも、教育の力はものすごく大きいのだと、実感しています。


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コメント

mamiさん、こんばんは。
今日はご訪問とコメントありがとうございました!

とってもすてきなブログですね。記事をたくさん読ませて頂きました。

きのくにと出会われて、お子さんたちだけでなく、ご家族みなさんがとってもお幸せなのだなあということがまっすぐ伝わってきて、本当に良い学校なんだなあと嬉しくなります。

>社会を良くするのも悪くするのも、教育の力はものすごく大きいのだと、実感しています。

おっしゃるとおりです。
いちばん大事なところが、どんどん悪くされていこうとしている日本の状況に、なんとか歯止めをかけたいと思っています。1人の力は小さいですが、少しでもできることをしていきたいと思います。

今日は本当にとっても感激しました♪
またお邪魔させていただきますね。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: さき | 2007年1月24日 (水) 21時36分

さきさん、早速来ていただきまして、ありがとうございます。ほんとうに、ネットの力ってすごいですね〜。私もさきさんのHPを見たときは、びっくりしました。

そして、いろんなところで、自分にできることから取り組んでいる人がたくさんいるのだと知って、とても勇気がわいてきました。

教育基本法改悪の動きは、ほんとうに腹立たしいです。多くの子どもたちが、お上のいいなり教育ではなくて、真に【健全な】教育を受けられるようであってほしいものです。

投稿: mami | 2007年1月24日 (水) 23時28分

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