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2006年10月19日 (木)

子どものための美しい国

ヤヌシュ・コルチャック作の、この本を読んだのは、もう、6〜7年前になります。『コルチャック先生』という映画を見て心を打たれ、彼のことを調べたところ、この本の存在を知りました。

ヤヌシュ・コルチャック氏については、ご存知のかたも多いと思いますが、一応、この本の作家紹介部分を転載します。

【1878-1942。ポーランドのユダヤ人作家・小児科医・教育者。子どもの権利を主張し、全国子ども新聞を発行、孤児院をひらいてそこに子どもの自治社会をつくった。ナチ支配下のワルシャワで、最後まで子どもたちと運命をともにし、トレブリンカ強制収容所のガス室で死去。】

コルチャック氏の功績を評価し、多くの人が救いの手を差し伸べ、逃げるチャンスはいくらでもあったのですが、氏は子どもたちを見捨てることを拒み、ガス室送りとなるのです。


この本のなかでは、父の死によって、幼くして王になってしまったマットが、子どもと大人のユートピアをつくろうと、改革にのりだします。

子ども国会ができ、大人は学校へ行き、子どもは会社で仕事をすることになります。また、大人社会に対する不満を述べたり、いろいろな改革案が提出されます。なかでも興味深かったのが、「大人が子どもに、やたらにキスをするのはおことわりだ」という決議です。

日本はそれほどキスするという習慣が多くはありませんが、この「決議」で大事なのは、大人は子どもがのぞむような愛情表現をするべきであって、大人の自己満足な愛情表現は、迷惑なだけ、それを忘れてはいけないぞ、ということだと思うのです。

先日の記事でもちょっと書きましたが、中学になる息子に「かわいい」と言ったり、やたら子ども扱いしてしまうのは、やはり失礼だな、と思うのです。ましてや、本人が「かわいい、なんて言わんで!俺、いくつやと思ってるん?」と抗議するまで、自分の無神経さに気付かなかったのは、まったくもって、不徳の致すところです。


さてさて、この『子どものための美しい国』は、画期的な改革をし、子ども新聞にも、

【こうしていまや子どもたちも大人と同等の権利をもつことになり、真の意味の市民となるだろう。今後子どもたちは罰をおそれて従順をよそおうのでなく、平和な、楽しい世界を待望するがゆえに心してくらすようになるに違いない。】

と書かれるようになります。しかし、マット改革王の行く末は、厳しいものになるのですが・・・。

この本が書かれた約80年前と今と、子どもの権利はどれほど進化したでしょうか?そして、某首相の言う「美しい国」とマット王が目指した「美しい国」、なんだか全然違うもののようです。


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