« カタログハウス | トップページ | 電車をまちがえて »

2006年8月23日 (水)

上の子に下の子の面倒を見させないで。

きのくにでの感動話しは、それはもうたくさんあるのですが、やはり息子のプライバシーも関わってくることでもあり、全部書くわけにはいかないのが苦しいところです。それでも、大丈夫そうなもの、三つばかりピックアップしました。今日はまず一つ目です。

Fが4年生の4月にきのくに転入が決まり、入学を祝う会当日、新入、転入の保護者に向けて、説明、質問会、がありました。その中で、堀さんの、この話しが特に心に残っています。

【この中に、兄弟姉妹で入学されたところもありますね。その方たちにお願いですが、学園への行き帰りや、学園、寮で、お兄ちゃんお姉ちゃんに下のお子さんの面倒を見させないでください。「○○ちゃんのことお願いね」なんて、弟妹のことを頼まないでくださいね。

新しい学校で、寮生活、それはみんな緊張しますよ。慣れるだけで大変なんです。そのうえ弟妹の面倒まで頼まれたら、お兄ちゃんお姉ちゃんはたまりません。疲れてしまいます。】


うちは、最初Fだけがきのくにへ行けることになったのですが、翌年の1月から、次男のNも転入が決まりました。初めてNも一緒に行くという日の前日、Fの元気がなくなりだしました。

「きのくにでNがなんでもかんでも俺に聞いてきたらどうしよう。」としんどそうに言うのです。きのくにでNにべったり頼られることを考えて、もうはや疲れてしまっているようでした。

私からは、「ちゃんとNにも、何か困ったことやわからないことがあったら、Fじゃなくて、大人の人に聞きなさいね、と言ってあるから、大丈夫よ。」と話しをしましたが、息子たちがきのくにに向かった後、一応担任にも、Fが弟のことで心配しているようです、と電話して伝えました。

担任のかたは、「Fくん、気を遣いますものね。Nくんの体験入学のときも、すごく気疲れしてましたから。わかりました。朝のうちに、話しをしておきましょう。」と言ってくれました。

息子が次に帰宅したとき、「○ちゃん(担任)、あの日の朝、なにか言ってくれたの?」と聞きましたら、堀さんがこんなふうに言ってくれたそうです。

【きのくにには兄弟姉妹で入っている人がたくさんいるけど、ひとりひとり別の人間だからね。そして、きのくには自分のことは自分でするっていうところだからね。】

当時小四の息子が覚えていて話してくれたことなので、言葉どおりではないかもしれませんが、実際、この話しを聞いて、Fはほっとしたということですし、Nも【なんでもかんでも兄ちゃんに聞く】ということもなかったようです。幼いながらも、堀さんの話しを聞いて、「弟」という立場でなく、一人の人間としての自覚みたいなものを感じたのでしょう。


私自身、きのくにでこういう話しを聞くまでは、どうしても、【お兄ちゃん、弟】という視点で接していたことが多かったように思います。特にそのことで、ひどい仕打ちをしてしまったことが、今も忘れられません。

それは、まだきのくにへ行く前、Fが小三、Nが小一、くらいの頃でした。

三人でデパートに行きました。そのころ、よくかんしゃくを起こしていたNが、また例によって、機嫌をそこね、ぐずぐず言い始めました。私も、すぐいらいらするほうでしたので、怒り爆発で、「もう、あんたなんか、来なくていい。好きなところに行きなさい。」と言って、道の真ん中にNを残して、Fといっしょにずんずん先へ行ってしまいました。

しばらくして、振り返ってみると、Nの姿はどこにも見えません。私は、自分が悪いくせに、Fにこう言い放ったのです。

「どうしてあんたがちゃんとNを見てないの!!お兄ちゃんなんだから、あんたが見てないとだめじゃないの!お母さんはここで待ってるから、あんたが探してきなさい。6階のおもちゃ売り場にいるかもしれないから、見てきなさい。」

Fは泣きそうな顔になって、走って探しに行ったのです。文句も言わずに。ひどい母親でしょう?鬼母です。これ、誇張でなく、ほんとにそう言ったんです。ほんとにひどい親だったんです、私。

結局Nは、デパートの受付のお姉さんに連れられて歩いているところを、私が見つけて事無きをえたのですが、私、今これを書きながらも、FにもNにも申し訳なくて、涙がでてくるのです。Nをかんしゃく持ちにしていたのも私だし、Fを責めたて、【お兄ちゃん】の重圧をかけていたのも私です。


【すべての迷信と因習と偽善から解放された時、その時はじめて人は教育のある人間になったといえるのだ。】(A.S.ニイル)

Fはきのくにで、まず「お兄ちゃん」の呪縛から解き放たれ、心が解放されていったのだと思います。【心の解放】、このことの重要性を、きのくにに出会わなければ、私は気づくことはできなかったでしょう。

|

« カタログハウス | トップページ | 電車をまちがえて »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/175659/11571746

この記事へのトラックバック一覧です: 上の子に下の子の面倒を見させないで。:

« カタログハウス | トップページ | 電車をまちがえて »