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2006年8月25日 (金)

電車をまちがえて

感動話の二つ目です。

1月からきのくにに行き始めたN、二回目のきのくに行きでのこと。朝8時発の飛行機で行く予定だったのですが、その日は全国的な大雪で、道路も完全凍結。スタッドレスタイヤをはいていたものの、とても無理な状況で、午後からの便で行くことにしました。

19時過ぎ、そろそろ寮に着いた頃かな、と思っていたら、電話が鳴りました。「おかあさん、電車まちがえてな・・・。うわ〜ん」と泣くNの声。

「どうしたの?今、どこなの?」と聞いても、泣いて返事ができない様子。Fに電話を変わってもらったら、「電車まちがえて、みさき公園、っていうところまで来てしまった。また、難波にもどって、そこからきのくにに行く」と言うのです。電話は車掌さんの携帯電話を借りたそうです。

こんなとき、離れている親はなんの役にもたちません。心を落ち着けて、
「じゃあ、きのくににはお母さんから電話しとくから、車掌さんに行き方を確認して、しっかり行ってね。難波に着いたらまた電話してね。」と言って、電話を切りました。

すぐ学園に電話をして、事情を話し、後はFからの連絡を待つしかありません。そして、その間に「みさき公園」というのがどのあたりなのか、地図で調べてみましたら、きのくにとはまったく別方向で、一時間くらい行ってしまったのだということがわかりました。

8時半近くになって、やっとFから電話がありました。

「8時半の電車に乗る。高野山行きって書いてあるけど、これでいいんやな?」落ち着いた声でした。

それにしても8時半の電車。ということは、橋本の駅につくのが21時半で、そこからタクシーに乗って、きのくにに着くのは22時頃。暗いなか、二人でタクシーに乗るのは心細いだろうな、おなかもすいただろうな、と思い、涙がこぼれました。

そして、21時半、担任の声で電話がありました。

「二人、今橋本駅に着きましたよ〜。これから寮に帰ります。お母さん、今回のことは、FくんNくんにとって、とてもよい経験だったと思いますよ。」

なんと、堀さんと女性担任が、雪の中、橋本駅まで迎えに来てくれていたのです。二人はどんなにうれしかったでしょう。近くのコンビニでおにぎりを買ってくれて、車の中で食べたそうです。

そしてこれは後から聞いた話しなのですが、堀さんは、二人の無事を確かめると、そのまま車で福井県に向かったそうです。その二日後に、きのくにでスキー旅行を予定していたのですが、今回の大雪で、道が大丈夫かどうか、子どもたちを連れていけるかどうか、まず堀さん一人で確かめに行ったというのです。

結局そのときの堀さんは、雪による大渋滞(立ち往生の車が続出)に巻き込まれ、10時間近く車に閉じ込められてしまったのです。

息子たちのことがなかったら、もっと早く出発できたはずです。それなのに、息子たちの安全を確認するために、待っていてくださったのです。そして、私にはそんなんこと一言も言わず、担任も、涙声の私を励ましてくれたくらいです。

FもNも、「あのとき駅に掘さんと○ちゃんが来てくれてて、すごくほっとした。」と言っていました。子どもたちにも、私たち親にも、忘れられない出来事となりました。

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