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2006年5月21日 (日)

反抗期

まだ息子たちが小さかった頃、中学、高校くらいの子どもを持つ知り合いから、「今、反抗期がすごくて大変なのよ〜」とか「帰ったらすぐ子供部屋にこもっちゃって、ろくに話しもしないのよ」「特に男の子は大変よ〜」なんていう話しを聞かされました。だから、息子たちも中学くらいになったらそうなるのかな、と思っていました。

そしたら、全然そうなりませんでした!他のきのくにの保護者と話しても、「うちにいるときは、なごやかにいろいろおしゃべりするよ」というかたが多いです。

きのくにでは宿題もテストもないから、親がきりきりする必要がありません。息子が転入して三週間後、春祭りという行事があったときにきのくにへ出向いたのですが、そのとき担任から「どうぞ安心してきのくににお任せください」「お家に帰ったとき、勉強を強制しないでください」と、集まった保護者に向かって言われました。

私はそう言われるまでもなく、全幅の信頼を置いていましたから、家に帰ったときは、のんびり好きなことをして過ごせるようにだけ、気を配りました。きのくにでの生活を全て見ているわけでも知っているわけでもありませんが、帰宅するたびに、楽しかったことをたくさん話してくれて、自信に満ちた様子なので、心配する必要もなかったのです。

きのくに生活6年を終え、15才のFは今、我が家で暮らしているわけですが、本やコンサートの感想を話しあったり、新聞記事について質問してきたり、漫画の話題で盛り上がったりと、「反抗期って何?」と思うくらい穏やかな日々です。もし私が彼の自主性を無視して、「ギターをもっと練習しなさい」とか「高校の課題はもうやったの?」とか口うるさく言う親だったら、Fは貝のように口も心も閉ざしていったでしょう。

あるとき、きのくにの保護者が「きのくににお任せ、というのは理想かもしれないけど、やはり親が軌道修正する必要はある」と言われました。そのかたが、また別の機会に、「うちの娘は私が部屋に入っていくと、すっと出て行くんですよ。」「学校でのこともほとんどしゃべりません」と言っていました。女の子だし、そういう年頃だし、と思っているようでしたが、私は違うと思いました。

きのくにを選択しながら、「軌道修正は親がしなければ」という考えでは、子どもはきのくにで学んだ良さを満喫できないのです。せっかくきのくにで心が解放されて、自分で考えることができるようになっているのに、家に帰ると親が「軌道修正」では、子どもは混乱してしまいます。

きのくにの教育理念である、「感情的にも知的にも人間関係でも自由な子ども」になってほしいならば、親は「きのくににお任せ」するとともに、子どもの成長を「邪魔しない」ことが、もっとも大切であると感じています。

さらにその親御さんは、きのくに在籍5、6年の娘さんを見て「きのくにの成果があまり感じられない」と文章に残していました。ほんとうにお気の毒です。

『自由学校の子どもたち』という本のなかで、ある保護者がこう書いておられます。

【きのくには恐ろしい学校だ。親に自分の哲学が本物かどうかを、つねにためしてくる。子どもの幸せとは何か、生きることは何か、などの難問をいつも突きつけてくる。ー略ー ともかくきのくには、こんなふうに、親にも学びを強いる恐ろしい学校であることは間違いない。】

「きのくににお任せ」の意味は、親も心を解放して、自分の価値観を問い直し、自分の子どもが「自由な子ども」へと成長するのを邪魔せず見守る、ということではないかと思っているところです。

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